愛しあう理由

実業家レアンドロスには、妻とするにふさわしい女性がいる。
愛しているわけではないが、結婚相手としては完璧な相手だ。
だが問題なのは、彼にはすでに妻がいること。
男の欲望を限りなく刺激する危険な魅力のイザベル――奔放で、伝統的なギリシア人の家庭には向かない女性だ。
別居してからすでに三年、もはや離婚するしか道はない。
彼はイザベルをアテネに呼び、莫大な慰謝料を提示した。
「あなたのお金なんかいらないわ」金目当ての女と思われたイザベルの言葉にレアンドロスは驚いた。
出張でロンドンを訪れていたシチリアの大富豪ロレンツォに口説かれて、親しくつきあうようになったヘザー。
ロレンツォは楽しい恋人だったが、彼には威圧的で、人を支配するのが当然という兄レナートがいた。
レナートはヘザーを財産狙いではないかと疑い、弟の花嫁候補としてひそかにヘザーの素性を調査した。
さらに大金を積んでヘザーを誘惑してきたのだ。
ヘザーがそれを断ると、傲慢にも「合格だ! 弟と結婚しろ」と迫ってきて…。
イギリス人医師アンジーは、友人の結婚式に出席するために訪れたシチリアで、運命の相手と出会う。
彼の名はベルナルド。
シチリアの名門一族である、花婿の弟だった。
金持ちの御曹子とは思えないほどまじめで繊細で、無口な彼に恋をして、アンジーはキスするだけで幸せな時間を過ごした。
だが、残酷にも恋は一瞬で踏みにじられた。
アンジーが上流階級出身だと知ると、ベルナルドは失望をあらわにして言ったのだ。
「君とは結婚できない。
それが僕のルールだ」と。
ロレンツォ・マルテッリは若きシチリアの大富豪。
最近、兄も弟も結婚相手をみつけ、独身貴族は彼1人になってしまった。
結婚をせまる家族のプレッシャーから逃れたいところだが、今日も母の命令で未婚の4人姉妹がいる知人の家を訪れることに…。
一方、その家の長女ヘレンは見たこともないロレンツォに憤慨していた。
「きっと、私たち姉妹がお金持ちの彼の気をひくと考えてるはずよ。
…そんな男、こっぴどく痛めつけて振ってやるわ!!」「いったい私は誰? 私が何を知ってるというの…?」一週間前、シルバーシャー王宮内の医療棟のベッドで目覚めたときから、ザラは何も覚えていなかった。
頭痛がして、見るのは奇妙な夢ばかり。
――記憶喪失なのだ。
そんなザラを治療するために、今回、わざわざ専門医が派遣されたという。
しかし、そのハンサムな医師は、鋭いまなざしでザラをひと目見るなり怒りと情熱をあらわにした!? 彼は私を知っている。
彼を信用してもいいのかしら?続きはこちらから⇒ttp://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=60019036